「博士審査展」2022.12
《 生態系染飾-Ecosystem of Dyeing Deco 》

本提出作品《生態系染飾-Ecosystem of Dyeing Deco》では、これまで論述した深層と表層 の視点を元に、筆者の制作現場からインスピレーションを受けた「染飾の制作循環」をテー マに制作した。
近年、表現の主体がエゴ(自我)から社会的意識を持った表現へと移り変わりながらも、素 材を手放さない工芸種族の筆者は、彩りと素材と技術の調和を前提に、何かしらの社会的メ ッセージを発信する。作品《生態系染飾-Ecosystem of Dyeing Deco》は、産業廃棄問題にも なっている「衣類」を扱う者としてサスティナブルな循環制作活動を意識したことをきっか けに、サーキュラーエコノミークラフトアーツの一環であるアップサイクルのプロセスによ って作者自身の制作の循環を整えることを試みるため、制作過程で生まれる廃棄布や端布を 装飾した染飾のコレクションである。